−報 告 書−

期  日 平成20年12月6日(土)
場  所 岡崎市コミュニティサテライトオフィス(松坂屋岡崎店6階)
時  間 森山 三千江

 

講演の開始前に来場した参加者に鰹だしを飲む前と飲んだ後でアミラーゼ活性および気分尺度が変化するかどうかの体験を希望するか聞き、希望者には唾液アミラーゼチップによりアミラーゼ活性を測定し、気分評価尺度はPOMS日本語版に記入してもらった後、濃厚かつおだし50mlを飲んでもらった。POMSによる気分の評価尺度は直ちに各項目の点数を計算し、アミラーゼ活性値と共にコンピューターに打ち込み、鰹だし摂取前の数値とした。

10時30分より、森山が講師となり、鰹だしによる眼精疲労への効果および仕事の誤答率の低下に加え、本講演前に愛知学泉大学の学生13名を対象にして行った鰹だしの摂取時および無摂取時における脳血流の変化、運動負荷前後における血糖値の変化等の実験結果をパワーポイントにて説明した。

鰹だしの体に与える影響は摂取より30分経過した後に現れるため、講演前に鰹だしを摂取してもらった参加者に、森山による講演40分終了後の休憩時間中にもう一度、POMSの記入と唾液アミラーゼ活性の測定を行った。

POMS記入後、実験体験者のPOMSの計算を行い、この数値およびアミラーゼ活性値を鰹だし摂取後の値としてコンピューターに打ち込み、体験者一人一人のデータを鰹だし摂取前と摂取後の値として表にして測定値を打ち出す作業を開始した。
休憩後、講師を澤井に代わり、和食のすすめとして、日本の食事の変遷および日系人がハワイへ移住してからの疾病の状況など、民族による代謝の違いなどを説明した後、実際に和食と洋食の栄養価の違いは献立例を示し、和食に不足している栄養素、また、過剰とされている栄養素を説明した。
今回のテーマである鰹だしは、和食は塩分が過剰になる場合が多いが、それを防ぐために、汁物や煮物などの調理の際にだしをしっかりとり、だしの味で塩分を減らすことが出来るため、和食には欠かせないものであるということを知らせた。

講演終了後、鰹だし摂取体験者には本人が鰹だしを飲む前のアミラーゼ活性によるストレス度および、気分評価尺度では緊張・不安感、抑うつ感、敵意・怒り、元気さ・活力、疲労感、思考力低下の六項目についてT得点による点数を示した。こうした体験型の講演は珍しいため自分が被験者となって、鰹だしを飲むことにより、アミラーゼ活性およびPOMSによる各項目の点数を興味深く見て、感想を述べていく人が多かった。

今回の講演は岡崎市と提携して会場が岡崎市の所有する会場となったため、脳血流を測定する器械を設置することが出来ず、アミラーゼ活性と気分評価尺度は質問紙による測定となった。しかし、講演前に測定した鰹だし摂取時の学生の実験値は興味を持って参加者は聞き、自分の測定値には驚きや納得など様々な感想が聞かれた。
鰹だしを摂取してもらい、アミラーゼ活性の測定、POMSへの記入方法、POMS数値の得点計算およびコンピューターへのデータ入力を学生4名と講演者2名で行ったが、時間のゆとりが無く講演終了時までにデータの打ち出しがぎりぎりであった。もう少し企画者側の人数を多くした方がよりスムースな運営が出来たものと考えられ反省点となった。