開催日:平成20年11月22日(土)

 

名称
日本の食のチェンジとチャレンジ
開催場所
実践女子大学香雪大教室
実施責任者
多田 裕

 

― 報 告 ―

 

平成20年度実践女子大学、実践女子短期大学主催の市民公開講座「日本の食のチェンジとチャレンジ」は(社)日本フードスペシャリスト協会共催の一般向け啓発事業としてシンポジウム形式で行われた。

当日は、一般市民、本学の卒業生、在校生、教職員など100名近い参加があり、4題の講演の後、会場からの質問を中心に総合討論を行った。また、その後参加者と演者で本学助手手作りの実践饅頭とコンニャクを食べながら気軽な意見交換会のような懇親会が開かれた。
以下に当日の進行に沿って報告します。

 

13:30 湯浅茂雄 学長 挨拶 13:35 西島 基弘 生活科学部長 挨拶
13:40〜14:10
「低い食料自給率と廃棄される食料」
田島 眞 教授 (食品学)

日本の食料輸入の現状について解説し、食料自給率低下の原因について輸入量の多い飼料穀物や小麦粉から考えられる点を述べた。さらに、輸入された食料の多くが加工食品の原料となる理由や、多くを輸入する一方廃棄量も非常に多い現実を解説した。

14:10〜14:40
「食生活と二酸化炭素排出量―自給率低下の影響」
四宮 陽子 教授 (調理学)
我国は、食料の多くを輸入に頼っているが、そのためには経済バランス上輸出用の工業製品を生産しなければならない。この際に排出される間接的な二酸化炭素排出まで考慮すると、輸入食品を食べることは、多くの二酸化炭素を排出することになる。自給率40%の2002年と、60%の1970年の食事から計算した二酸化炭素排出量を比較しながら、自給率低下の影響を解説した。
14:50〜15:20
「伝統の知恵・醗酵の活用
―伝統の酒からバイオテクノロジーまで」
秋田 修 教授 (食品加工学)
日本の食文化を彩る調味料の味噌、醤油、食酢、みりん、また嗜好品の清酒、焼酎、納豆などは醸造醗酵食品で、これらの醗酵には主に麹菌が使われている。日本の伝統的な醗酵技術である麹菌は、近年その安全性から、バイオテクノロジーの技術を使って多様な生物産業への利用が期待されている。食品産業、医薬品製造、バイオマス産業、環境問題の解決技術への応用などを解説した。
15:20〜15:50
「料理の命の水―おいしい水とおいしくする水」
数野 千恵子 准教授 (調理学)
近年水道水の味、におい、安全性などに問題を感じ、水道水以外の浄水、ミネラルウォーター、アルカリイオン水などを使用する人が増えている。水の種類によって含まれているイオンやpHが異なるために、むいている料理も異なってくる。日本で市販されているミネラルウォーターの硬度による味の違いや料理による使い分け、またアルカリ性電解水と酸性電解水による料理のおいしさの違いなどについて解説した。
16:00〜16:30
総合討論
自給率の異なる2002年と1970年の食事内容と栄養バランスの違いについて、数名の方から質問があり、1970年の食事は高齢者の食事の参考になるのではないか、という意見もあった。
水道水の安全な使い方や、おいしくするための工夫点などの質問がいくつかあり、水に対する関心の高さが伺えた。
まだ意見のある方もいらして、この後の懇親会で和やかな意見交換が行われた。

16:30〜17:30 懇親会    
司会  多田 裕 教授  手作り実践饅頭 手作りコンニャク

アンケート結果について

 

企画、講演内容は概ね好評であった。

最後の総合討論で、それぞれの先生の意見・考え方を聞くことができて良かったという意見が多く見られた。
今後の希望テーマは今回のシンポジウムの続きに当るようなテーマが多く寄せられた。

 

市民から

卒業生から

以上