名  称: 食物アレルギー講座

こども大好き献立にチャレンジ

開催日時:平成24年3月10日(土)
開催場所:奈良佐保短期大学   613調理実習室 10:30~12:30
参加者数:32名 (子ども24名、計56名)
講  師:奈良佐保短期大学 生活未来科食物栄養コース  スタッフ

講座のチラシレシピはこちらから

 

【講座概要】

昨年、"子育て父母のための食育講座" と題してクリスマス料理講座と食物アレルギーについての講演会を開催しました。講演会後のアンケートでアレルギーのあるこどもへの食事内容、代替食品の使い方等現場や家庭から調理実習を行って欲しいとの要望が多く、今年度は食物アレルギーに重点をおき、料理講習会を実施しました。三大アレルゲンである卵・牛乳・小麦粉を使わない献立にチャレンジしました。特にこどもが大好きなオムライス、ハンバーグ、クリームシチュー、コロッケ、ストロベリーケーキ、クッキー、イチゴミルクプリンを試食していただきました。 スタッフ一同試行錯誤を繰り返し、 見た目、味 共に遜色ない食事の提供を目指しました。
時間に限りがあるためオムライスの"そっくり!薄焼き卵"と "クリームシチュー" を実習していただきました。

実習の前に「食物アレルギー対策」と題してミニ講義も実施しました。

 

【実施記録】

① ミニ講義  「食物アレルギーの対策」  (30分)

 

 

実習の前に行ったミニ講義では食物アレルギーの機序、原因食品、症状やその特徴について概要の説明を行いました。0歳から3歳の即時型食物アレルギーでは依然として鶏卵、乳製品、小麦の順で発症率が高いことに加えて新規発症例として魚卵があがってきており、こどもを取り巻く食形態の変容があるのではないかと推察されます。鶏卵、乳製品、小麦は耐性獲得率が比較的高い食材ですが、カルシウム不足など除去することによるリスクにも注意を払うべきであるとの提言がありました。  

 

② 調理実習  「卵・牛乳・小麦を使わない献立」  (45分)

実習時間が45分と限られていたため、クリームシチューと薄焼き卵、試食していただくコロッケ、ハンバーグの盛り付けを各台で作業していただきました。クリームシチューに使用するホワイトソースはたまねぎ、米粉、豆乳、サラダ油で作ります。アレルギー特定原材料除去の固形スープも加え味を整え、豆乳で濃度を調節するとグラタンにも応用がききます。

オムライスの薄焼き卵はかぼちゃとじゃがいもをペースト状にしたものに片栗粉、水を加えてよく混ぜ、ラップの上に薄く伸ばしてレンジで2分加熱すると出来上がります。ケチャップライスの上にのせれば完成!!

参加者からも歓声があがります。 

また、お弁当にかかせない卵焼きも食べられないこどもにとって憧れの一品です。

今回は鱈のすり身を使用し、かぼちゃ、山芋で色、味、栄養面も考慮し試作を重ねました。テフロンのフライパンや卵焼き器を使うと失敗なく作ることができます。鱈のすり身が入っていますので、じっくり、ゆっくり十分加熱をして下さい。 

今回の取り組みは家にあるもの、あらためて専門店で購入しなくても料理できるように工夫しました。

 

③ 試食  (45分)

 

試食メニュー  
☆ コロッケ ☆ ストロベリーケーキ
☆ ハンバーグ ☆ 米粉クッキー (プレーン、きな粉味)
★ オムライス ☆ いちごみるくプリン
☆ 卵焼きもどき  
★ クリームシチュー  

 

子育て支援センターの協力も得てこどもを預けて実習していただいていたお母さんとも合流。

場所を和室に移してにぎやかな試食会です。

ハンバーグやコロッケ、ケチャップライス、また各種スイーツは本学の給食管理実習室等を使用し調理したものを試食していただきました。 各台で実習した温かい出来立てのシチューもテーブルにのると豪華。

 

手づかみで食べちゃえ・・・   シチューのお味はどうかな?
 
お待ちかねのデザート   みんないちごが大好き

 

     
  各種アレルギー対応食品の紹介

 

④ アンケート結果
講座終了後、受講生の皆様にアンケートを実施いたしました。
講義の説明はよく分かった、また実習は大変良かった、との意見が多く寄せられました。
以下に感想の一部を紹介いたします。

アレルギーについてなんとなくしか知らなかったことをわかりやすく説明して下さり、大変参考になりました。
アレルギーの種類について詳しく聞けたこと。
アレルギー食でも美味しく、見栄えよくできることがわかって勉強になりました。
身近な食材でできるレシピがうれしかった。
参加してよかった。卵焼きは舌触りもよく高齢者の方も喜んで頂けそうでした。
過剰に除去しすぎる方もいるが、過剰にならないよう伝えていきたいと思いました。
アレルギーだからといって特別な事をしないでできる限りの事をしてあげればよいのだと改めて実感した。
普段食事を用意する時、アレルギーを気にしてストレスがたまっていた。
レシピでいろいろ試してみようと思う。
こんなにたくさんの種類を試食させて頂けるとは思っていなかったので驚いた。
最近まで小麦アレルギーでメニューを考えるのが大変だったので、もう少し前にこの講座を受けていたらレパートリーが増えて助かっていたと思う。
シチューはもう少しとろみが欲しかったので、"ひたひた"ではなく指定して欲しかった。
数を減らしてもらってもよいので、もう少しゆっくり作りたかった。
アレルギーではないのですが、かぼちゃが苦手な娘がパクパク食べていた。

 

駆け足の半日講座となりましたが、参加者の皆様にとって有意義な講座となっていただけましたら幸いです。
最後に助成いただきました日本フードスペシャリスト協会に深く御礼申し上げます。