高齢者のQOL(生活の質)の維持・確保を目的とした
食生活改善の資材作成と普及・啓発事業(実施結果の概要)

１　事業の趣旨

現在、高齢者の食生活は、欠食等による低栄養、栄養バランスの偏りなど様々な課題が生じており、特に介護予防居宅サービスを利用する要支援者の食生活に課題の多いことが、施設管理者や利用者から指摘されている。

デイサービスで施設を利用されている高齢者については、施設利用時の食事とともに在宅時の食事が適切に摂取されてはじめて、身体機能の維持が図られると考えられる。

このため、高齢者本人及び家族、サポートする介護スタッフ、ケアマネージャー等が連携して日常の食生活の改善に取り組む必要があり、施設利用者・介護関係者等を対象とした、高齢者の望ましい食生活のあり方について手近で簡便に学習できる資材を作成し、その普及・啓発を行う。

①

高齢者の食生活の課題とされている事項について、６回シリーズとして各回10分程度に取りまとめ、DVDに収録した。

②

各項目の理解を助けるため、受講者用資料を作成し、DVDとともにデイサービス施設(株式会社ケアサービス)に提供した。

③

施設利用者及びその家族を対象とした食事摂取状況ワークシートを作成し、DVD利用時に併せて活用できるセットを開発し、ケアサービスに提供した。

④

ケアサービスの企画担当者に介護スタッフを対象とした本DVDの利用手法等の説明会を開催した。

⑤

主な収録事項

第1回：シニア世代の食生活のポイント

・シニア世代の食卓調査に見る課題と食生活のポイント

第2回：どんな食品を食べれば良いでしょうか？(前篇)

・10食品群を毎日食べることについて

・たんぱく質を多く含む⑤食品群の紹介

第3回：どんな食品を食べれば良いでしょうか？(後篇)

・緑黄色野菜や果物など残りの５食品群について

第4回：毎日、どんな食品を食べていますか？

・10食品群に注目して毎日食べている食品を調べてみよう

第5回：毎日、どんな食品を食べていますか？

・食べている食品群の数を増やす工夫について

第6回：おいしく食べて健康に！

・おいしく食べて減塩する方法について

・全般的に留意すべき点について

高齢者の食生活の課題とされている事項とその内容を、高齢者にも理解できるよう、わかりやすい表現で身近な食事を例として簡易なDVD動画を作成することとし、作成方針とコンテンツのもとに原案を作成した。

音声原稿を併せ作成し、画面とシンクロするようにしている。

作成には6か月を要したが、3月にデイサービス企業でのスタッフ対象の説明会を実施することができた。デイサービス施設では、説明内容に基づいて、利用者の食事摂取状況を調査し、日常の食事指導に活用するとしている。

なお、DVD、受講者用資料及びワークシートは、施設側で複製し利用することを前提としているため、今後の利用が進むと期待される。

（参考）

１　シニア食育講座DVDスライド解説(概要)　

２　シニア食育講座一部DVD画像の紹介