開催日:平成19年10月21日(日)10:00
名称 | 朝食と脳の血流 |
開催場所 | 愛知学泉大学 岡崎学舎 2号館 261教室 |
実施責任者 | 森山 三千江 |
−報 告−
講師:森山三千江、澤井明香
事前に近隣の小学校にチラシを配布し、小学生が朝食を摂取することの大切さをうったえ、当日の参加を募った。講演にはパワーポイントを用いて説明した。
始めに森山が講演を行った。内容は食事と成績の関係を全国調査の結果を見せながら説明した。朝食を摂取した児童や中学生の方が摂取しなかった群よりも成績の平均値が高かったことが統計的に証明されたことを示した。また、食事が精神的に与える影響もいろいろな調査で報告されていることから数例を示した。子どもが自分の食事風景を描いた絵から一人で食事をする孤独感や家族揃って食事をする充実感をかいま見ることができ、家族揃って食事をする大切さが特に小学生のような子ども時代に大切なことを強調した。さらに、アンケート調査の結果より、小学生がいらいらする頻度が朝食を摂取していない子どもに高いことや一人でご飯を食べる子どもは食事を楽しいと感ぜず、給食すらみんなで食べる楽しさよりも煩わしさを感じるなど社会生活にも支障を示す可能性があることから、いかに食事のあり方が重要かを説明した。
次に澤井の講演となった。食べ物が体内に入ってからどのようになるのかを体の絵を見せながら臓器の名前も説明していった。参加者は保護者の母親と小学生であるが、弟妹である幼い幼児も付いてきており、内容はなるべく平易な言葉で説明し、子どもにも分かるように気をつけた。食物が体の中に入ってからの役割は色分けし、体を作るもの、エネルギー源となるものなど赤・黄・緑の色分けで説明を行い、それぞれにはどのような食品があるのかも小学生低学年にも分かりやすく説明するように心がけた。小学生が勉強をする際には頭を使うが、その際のエネルギー源が糖質であり、午前中の授業中に集中して取り組む為には朝食が大切であることから再度、朝食の摂取の有無により試験結果の平均点が異なることを示した。
また、この講演に参加する人が朝食を摂取してくる人と摂取しない人の両方いることは事前に分からず、当日の参加者で朝食摂取群と無摂取群にきちんと分けられないことを想定して、講演当日までに愛知学泉大学の学生を用いて朝食摂取者と無摂取者に簡単な四則計算をさせ脳の血流を測定した。朝食の摂取群と無摂取群で脳の血流に有意差が出る人数を調査し、講演当日は朝食摂取者の脳が働いている時の血流と無摂取者の脳が働いている際の血流の典型的な例を示して違いを見せた。
会場から希望者を募り、電極を額に貼り、しばらく安静にして血流が一定になったのを見計らった後、簡単な質問をした。脳の血流体験をしたいものは全員子どもであり、一人当たり5から10分電極を貼り計測終了までに時間がかかることから、体験に使用できる時間の関係からも保護者の体験は出来なかった。幼児から小学校低学年では果物の名前を十個答えて下さい、あるいは好きな食べ物を十個答えて下さい等。小学校3年生では九九を二の段から順番に言って下さい等、年齢に合わせて質問をし、その際の血流をモニター画面で会場の人々とともに観察した。
体験したこどもは全員、朝食を食べてきたものであったので、本学の学生で朝食摂取群の示した血流の波形と一致しており、朝食を摂取してきたことが脳の血流からも確認できた。実際に目の前で子どもが質問に答え始めると脳の血流の波形も変化し始め、頭の中で脳が活動していることを、この波形の変化から見ることが出来、参加した母親も驚きの様子を隠すことが出来なかった。
この日はお土産として、学校給食にも使用されている野菜ジュース、小魚とナッツのセット、小魚とチーズのセット、黒豆のスナックの4種類を用意し、参加者全員に配った。
文責 森山 三千江