開催日:平成19年10月24日(水)〜12月19日(水)〔計7回〕
名称 | 健康は食卓から創られる |
開催場所 | 昭和学院短期大学 |
実施責任者 | 小川 悦代 |
−報 告−
1.講演会の目的
一般市民が「健康で豊かな食生活を確保すること」は非常に重要なことであるが、食品の安全性、子供の食生活の乱れ、高齢化社会への対応等「食」について深刻な問題が多発しているのが現状である。従って、家庭の主婦を始めとする一般市民に「健康で豊かな食生活を確保」するための知識と技術を、楽しく興味深い講座を通して伝えることは急務と考えられる。以上の観点から、「健康は食卓から創られる」を統一テーマに選び、昭和学院短期大学・日本フードスペシャリスト協会共催講演会として、7回の講座を実施した。
2.講演会の広報活動
講座を開催するに当たり、近隣地域への広報活動を行なった。 | |
@ | JR本八幡駅、JR船橋駅、JR市川大野駅にポスターを掲示した。 |
A | 近隣地域への広報活動 近隣の小学校(真間小学校など5校)、幼稚園(百合台幼稚園)、町会(宮久保・八幡町会)に広報ビラ・ポスターを配布した。 |
B | 学校法人昭和学院関係の広報活動 昭和学院短期大学教職員、昭和学院高等学校・図書館、昭和学院中高父母会、昭和学院中学校、昭和学院小学校、昭和学院幼稚園、法人 事務局、ヘルスケア栄養学科卒業生などに広報ビラ・ポスターを配布した。 |
C | 市川市への広報活動 市川市の広報紙に講演会記事が掲載された。 |
D | いちかわ市民アカデミー講座参加者に広報ビラを配布した。 |
E | 新聞関係 日本食糧新聞に本講座記事が掲載された。 |
3.講座の実施
@ | 開講式 10月24日(水)午後2時30分〜2時45分 日本フードスペシャリスト協会より土屋正専務理事出席。本学理事長、学長他、本学栄養科学研究所員出席。土屋専務理事、山本昭和学院理事長、桑村昭和学院短期大学学長から挨拶を頂いた。 |
A | 第1回講座 10月24日(水)午後2時45分〜3時45分 「正しい食生活を考える」 講師:松本晴美 メタボリックシンドロームの予防には、バランスの良い食事が勧めれる。正しい食事の摂り方について"食事バランスガイド"を使って説明し、その活用法を解説した。 |
B | 第2回講座 10月31日(水)午後2時30分〜3時30分 「食事が健康と長寿に果たす役割」 講師:渡邉隆子 健康的な食生活の基本と高齢者の一般的な食生活を比較し、高齢者について食事上の問題点を示した。長寿県として有名な沖縄の食生活の変遷を通して食が健康に果たす役割を解説し、沖縄料理も紹介した。 |
C | 第3回講座 11月14日(水)午後2時30分〜3時30分 「子ども達の食事について考えてみよう」 講師:松本晴美 朝食抜き・孤食など現代社会で起きている子どもの食生活の問題を、子どもの発達と食習慣の面から考えてみた。また、年齢にあったバランスのよい食事の簡単なチェック法を紹介した。 |
講演会講座風景 |
D | 第4回講座 11月21日(水)午後2時30分〜3時30分 「伝統食品の調理特性と健康」 講師:福永淑子(講義と調理実習) 凍みもち・凍み大根などの伝統的食品の調理特性の講義と実際の調理をおこなった。伝統食品と健康との関係について話し、調理デモンストレーションと試食をした。 |
E | 第5回講座 11月28日(水)午後2時30分〜3時30分 「フードロスを考えよう」 講師:前田文子 食品ロスを色々な角度から眺め、実際に廃棄されている食品の量等を数字で示した。何故フードロスが問題なのか、家庭でも出来る対策は何か、などを考えることで今出来ることを提案した。 |
F | 第6回 12月12日(水)午後2時30分〜3時30分 「電子レンジを上手に使おう」 講師:高橋律子(講義とデモンストレーション) 電子レンジは温める時だけ使う、という人が意外に多い。電子レンジの特性を知ることで調理の幅を広げることが可能である。電子レンジを用いて調理のデモンストレーションの後、試食をして頂く。 |
G | 第7回 12月19日(水)午後2時30分〜3時30分 「栄養表示を活用しよう」 講師:前田文子 栄養表示のある商品が増えてきたが、十分活用されているとは言えない。栄養表示に限らず、産地・消費期限・賞味期限と色々な表示もある。これらの表示内容を知り上手に活用する方法を提案した。 |
H | 閉講式 12月19日(水)午後3時30分〜3時40分 この講座の実施責任者の小川が、閉講の挨拶をした。全講座を通じてパワーポイントを用いたプレゼンテーションを行い、図・表等を示して説明するなど参加者にとって親しみやすく理解しやすい講座になるように配慮した。配布資料は、講座に用いたパワーポイントをカラー印刷したものであるが、メモ欄を設けたほか7回とも同じ様式で打ち出すなど工夫し、活用と保存の便を図った。 |
調理実習風景 |
4.講座アンケート結果
毎回講座終了後アンケート調査を行なった。講座参加者は総数196名、アンケート回収率は80%(157名)であった。
本講座は、興味あるテーマを選んで聴講する自由参加講座であったが 2回以上の参加者は69人(44%)と繰り返し参加される方が多く、7回の講座に6回(3名)や7回(1名)参加などほぼ毎回参加された方もあった。参加者の住居は市川市(58%)、船橋市(8%)千葉市・船橋市(6%)などほとんどが近隣地区からの参加であった。なお、開催が平日の午後であったこともあり、参加者は40歳以降の女性が圧倒的に多く全参加者の82%を占めた。中には、祖母、母、娘の三代一緒の参加(1組)もみられた。次に講演会の内容についてであるが、「この講演会の感想は」という質問には、「とても参考になった」(79%)「まあまあ参考になった」(21%)あまり参考にならなかった(0%)との答えがよせられた。今回の講座の好評さが裏づけられたと考えている。
今後取り上げて欲しいテーマの記入欄には「高齢者の食生活の話をもう少し聞きたい」「伝統食材を見直して欲しい」など多様な希望が寄せられ、「食」に対する関心の高さや熱心さが伝わってくる結果であった。
フード講演会アンケートまとめ(pdf書類 104KB)
5.総括
@ | 今回の講座を実施するに当たり、昭和学院を挙げての協力体制を組むことができ非常に幸いであった。特に、学院内外の広報活動に協力を頂いた。また、新聞や広報紙にも掲載された。本講座の参加者は延べ196名、よく参加して下さったと感謝するとともに、広報活動のむずかしさと参加者確保の困難さを改めて感じている。 |
A | 各講座の参加者はみな非常に熱心であり、講座後の質問・相談も活発であった。早速実践したい、講座時間が短い、もっと話が聞きたいなどの希望も多数寄せられた。 |
B | 講師も短期大学の授業等で忙しいなか、理解しやすいようにパワーポイント作成を工夫する、日常使われている食品の画像を撮影に行く、調理の下ごしらえをするなど講座の準備を行い、誠意を持って講座に対応していた。講座後の質問・相談にも親切に応じていた。講座終了後、講師・相談員からも講座を受け持つことにより、忙しかった反面、得られたものも大きかったとの声が寄せられている。 |
C | 本講座のテーマの取り上げ方であるが、近隣市民が関心と興味を持っているテーマであり、妥当であったと考えている。 |
D | 講座を聞きながらメモが記入できるカラーテキストは参加者に非常に好評であった。自分が参加しなかった講座のテキストも「欲しい」との要望があり、希望者に差し上げた。 |
E | 本講座を通じて近隣住民の「食品・食生活・その他食に関すること」への理解が深まり、講座の実施は非常に成功であったと思う。今後も栄養科学研究所の活動として続けてゆきたいと考えている。 |