2010年2月6日(土)10時30分~14時30分
神戸山手短期大学2号館地下1階 食の美学実習室にて
実施責任者 原 知子
目的:食物の勉強をする学生においても理科離れの強い傾向にあるので、身近な食べ物・楽しめる調理を利用して、一歩深い理解をすることの面白さや広がりを感じてもらい、科学的なアプローチへ関心を向けてもらいたい。
また、高校生にフードスペシャリスト資格の存在を認知してもらいたい。
そのためのプログラムを実施した。
*** プログラム *************************************************************************
配布プリント | ||
条件の異なる茶碗蒸しを比べてみよう レシピ 振り返りアンケート |
なお、この事業はフードスペシャリスト協会からの助成金により行っております。
また、昆布は味の素株式会社からのご提供によります。記して謝意を表します。
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1)昆布とかつおの相乗効果について
茶碗蒸しに使用する「だし」をとる際に、昆布とかつおぶしのだしのうまみの相乗効果について、意識してもらうことを目的として、利尻昆布を60℃1時間加熱したものを昆布だしとして味わい、さらにかつおを合わせたものを味わった。昆布に鰹節をあわせることによって、昆布のみの時とうまみが変化することを体験。
2)茶碗蒸しの実験
卵とだしの割合(1:2、1:3、1:4)、蒸し温度(85℃、100℃)、塩なし、だしなし、圧力鍋による加熱、舞茸の添加について、条件の異なる茶碗蒸しを調整し、比較観察を行った。
①卵液は希釈しても固まるが、蒸し料理の場合には卵が多いとかためになり、「す」も立ちやすい。②蒸し温度は85~90℃で緩やかに加熱すると「す」が立ちにくい。③塩やだしが入っていると、水だけに比べてかたまりやすい。もちろん味がよい。④圧力なべでは実質短時間で加熱できるので燃料費の点では大変エコロジカルである。⑤舞茸を入れると固まらなくなるが、さっとボイルした舞茸を用いると固まった。舞茸の中の「加熱によって働きが無くなる成分」が、卵液を固まらなくしている。などを考察した。
3)茶碗蒸しのある献立調理
茶碗蒸しの加熱の注意点を考えた上で、茶碗蒸しづくり。説明後、配布レシピに基づいて調理。および、料理の楽しさを感じてもらいたいという目的で、お花とハートの飾り巻きずしをマスターした。飾り巻きすしについては、練習を重ねた学生が師範した。
←参加者から送っていただいた写真。
4)食事会、ふりかえり
質問や感想などをやりとりしながら、食事会。
バレンタインの直前、ということでおまけのガトーショコラのレシピを追加配布。
振り返りのアンケートも、丁寧に記入してくださったのには感動。
フードスペシャリストという資格があることを初めて知った、というコメントもあった。
(アンケート回答用紙)。長時間にわたってのご参加お疲れ様でした。私どもにとってはじっくりと参加者の方とお話しする時間をもてた一日となった。
参加をきっかけに、食べ物に関する科学的な見方に親近感を持ってもらえると幸いである。また、フードスペシャリスト資格に関してもさらに多くの人に認知してもらえることを願っている。
1)予備実験・料理試作(11月実施)
2)参加者募集
兵庫県内の高校家庭科の先生宛にご案内のちらしを218通郵送、その他近畿圏内の高校および家庭科の先生あてにFAXあるいは郵送にてお知らせ。
募集は短期大学ホームページ、Email、FAX、電話にて受け付け(サイエンスキッチン高校案内用ちらし)。新聞社等へのお知らせ記事の依頼、等によった。(プレスリリース用資料、神戸新聞案内記事)。
3)申し込み時に確認の連絡、後日案内送付(1月20日~末日)
4)前日・当日
最終打ち合わせ、会場準備、下準備等を実施。終了後スタッフによる反省会実施。
最後になりましたが、助成いただきました社団法人 日本フードスペシャリスト協会、ご参加いただきましたみなさま、ご案内を取り次いでいただきました高校の先生方に、深く感謝の意を表します。
また、昆布とかつお節をご提供いただきました味の素株式会社さまにお礼申し上げます。