フードスペシャリスト協会 食に関する一般啓発事業 報告書

タイトル :フェアトレード~途上国の生産者と先進国の消費者をつなぐ~
実施日 :2010年10月31日(日)13:30~15:30
場  所 :九州共立大学 深耕館 S132
参加者 :145名

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昨今のグローバル経済において食糧は世界的な貿易により取り引きされている。日本も例外ではなく、発展途上国から多くの食料品を輸入している。途上国が貧困から抜け出す支援をするために、一方的な貿易を見直そうと広まっているフェアトレードを地域の人々に知っていただくために、大学祭期間中の実施を企画した。『地球のステージ』公演を同時に開催したことにより、国際医療支援活動の様子を見聞きしながら、世界の人々へ思いを馳せる時間となり有意義な時間を過ごせた。

 

実施概要:本学栄養学科水崎学科長の主催者挨拶後、桑山紀彦さんによる世界の現状を映し出した映像・作詞作曲によるライブ形式の公演会を以下のプログラムで行った。

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1. オープニング「天空の窓」
2. ジャワ島中部震災救援篇「ジャワ回帰」
3. 終わらない貧困編「海に光る星」
4. 東ティモール特別篇
5. パレスチナ篇3~音を創る少年たち~「愛の歌」
6. 自転車日本一周篇「民宿港屋」
7. エンディング「あの坂をのぼれば」

「3. 終わらない貧困編」では、フィリピンのスラム街で女性たちの自立支援のためミシンを寄付して工房を始める支援に取り組んだ経験から支援者のプロデュース力、当事者の主体性・計画性・忍耐などフェアトレードの取り組みの難しさと重要性が語られた。

アジア最貧国であり、栄養状態の悪い人が多くいる東ティモールにおける母子保健活動の様子について特別編として挿入していただいた。桑山さんが東ティモールの首都で支援している病院のスタッフの様子や、母子保健の行き届かない山間部での移動乳児健診と栄養教育、成長曲線から外れている子どもの体重グラフ等が映し出され、貧困国の医療には「食事・栄養」が大変重要であることを力説された。

本学の留学生支援等に取り組んでいる地元折尾の活動団体「地球交遊クラブ」のコーディネートで、JICA九州、北九州国際交流協会キーネット、市民・学生ボランティアに協力していただき、会場入り口付近のロビーにはフェアトレード商品の紹介をするブースを設けた。森林破壊を防ぐ産業としてマヤナッツ(木の実)を輸入する団体グァテマラの農産品、ベトナムのストリートチルドレンや女性の自立支援をするベトナムまごころプロジェクトの手工芸品など日頃見ることができない品々を並べたこともあり多くの講演参加者が買い求めていた。東ティモールのエルメラ県において無農薬栽培されたエルメラ・コーヒーも販売した。

一般市民の方々、管理栄養士、養護教諭、医大生のグループ、心理カウンセラー、認知症の支援団体、森林保護の活動団体、中学生など様々な方にご来場いただいた。国内外で「生産者」と「消費者」との連携やフェアトレード事業を展開している株式会社ウインドファームの中村隆市さんがお越しくださったことは大変光栄なことであった。

最後に、このたびの講演会の開催に際して多くの方々の多大なるご支援・ご協力を頂きましたこと、この場を借りて厚くお礼申し上げます。

 

参加者の感想:

・桑山さんの活動に圧倒された。
・調理師の仲間たちと来たが今までにない視点からの内容で今後の向上への意欲が湧いた。
・これからの自分の市民活動でもっと広く色々な団体とつながっていこうと思った。

以上