1) 事業名称
中国学園大学公開講座 「食べて元気 食べてしあわせ ~今日から君もヘルスマン~」
2) 目的
地域住民の栄養改善及び健康増進に寄与する
3) 開催日時・場所
プレ講座:平成23年10月1日(土)中国学園大学12号館M301教室
公開講座:平成23年10月15日、16日(土、日)中国学園大学12号館
4) 参加者
プレ講座:190名、公開講座:803名 計 993名
1) プレ講座(講演内容)
公開講座のプレイベントとして、10月1日に医療法人平病院 内科医師 藤原みち子氏を講師に迎え、「血管から考える生活習慣病予防について」と題した市民公開講座を行いました。当日は学生が作成した公開講座宣伝用のDVDを上映して公開講座の告知を行うとともに、毎年恒例となった野菜ダンス(野菜の摂取を促進する内容の食育ダンス)の披露や食育SATシステムによる食生活診断コーナーを設けて、参加者に楽しみながら食生活を見直していただきました。
講演では、血管の内側の壁についた脂肪の状態により発症する生活習慣病が異なることや、脳卒中の兆候と対応についてわかりやすく学ぶことができました。
野菜ダンス | 食育SATによる食生活診断 | 講演の様子 |
2) 公開講座
10月15、16日に行われた公開講座では、中国学園大学12号館の1~3階を使い、人間栄養学科3年生が8つのグループに分かれ、それぞれのテーマに沿った食と健康に関する体験学習コーナーを設けました。参加者が興味を持って8つのコーナーをまわれるように、スタンプラリー方式を取り入れるとともに、「ヘルスマン」と名づけられた8人のキャラクターを考案し、各コーナーで活用することにより、講座としての統一感を持たせました。
全体の受付でスタンプラリーの台紙と会場の地図、各コーナーで配布されるレシピや媒体を入れる紙袋を渡し、全てのスタンプを集めた参加者には、ヘルスマンのイラスト入りボールペンをプレゼントしました。
スタンプラリー台紙 |
事前配布したチラシ(上)とポスター(右) |
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それぞれの体験コーナーでは、参加者に楽しみながら学んでもらえるよう趣向を凝らし、学生が調査したパネルの展示やテーマに沿った創作料理の試食などが行われました。以下に、各コーナーの様子を紹介します。
健康な暮らしに欠かせない、骨と歯の大切さを実感してもらうために、来場者の骨密度と咬合力を測定しました。そして、骨の構造や形成についてのパネル展示によって、食生活との関わりを理解してもらい、クイズに挑戦してもらいました。どのような食品が骨と歯の形成に関わるかについても資料を展示し、「ゴマせんべい」や「ふるふるミルクプリン」などのカルシウムを多く含む料理のレシピを持ち帰ってもらいました。
食べ物が口から入って体の中をどう通り、体外へ出ていくのかを理解してもらうために、身体を島に見立て、教室全体を使って迷路を作成しました。来場者には入り口で「宝の地図」を渡し、口、食道、胃、小腸、大腸と各コーナーを回ってもらうたびにスタンプを押していきました。各コーナーでは、それぞれの器官について消化に関する役割を理解してもらうために、ユニークな模型を作成したり、パネルを展示したりして工夫しました。大人の方はもちろん、子ども達にも大好評でした。
日本人の米の消費量が減少を続けている中、このコーナーではお米の良さを見直し、お米を食べることと健康の関係を知ってもらうことを目的として、展示と体験コーナーを設けました。お米の良さ、世界のお米、日本のお米についての展示を見ていただき、計量コーナーでは普段食べている「ご飯」が炊飯前の米に換算するとどのくらいかを予測していただき、実際の量との差を実感してもらいました。また、インディカ米とジャポニカ米の食べ比べ、お米で作ったチヂミを試食してもらいました。
今日の食生活が、いかに海外からの輸入食料品によって支えられているかを原産地クイズによって実感してもらい、その上で、日本の食料自給率、「もし輸入が止まったら・・・」などのパネル展示をみてもらい、再び自給率クイズに答えてもらいました。
最後に「日本の自給率を上げるためにはどうすればいい?」というテーマで参加者の方にアイデアをいただき、「自給率の木」に貼り付けてもらいました。400を越えるご意見が寄せられました。
体温を上げることで健康を増進してもらおう、という目標を掲げ、低体温の怖さについての展示をしました。そして、体温を上げるための「ポカポカ体操」、子どもにも参加してもらえるよう工夫した「うんこダスマン体操」を実演したDVDを流すことで、会場を訪れた人にも体操に参加してもらいました。また、体温をあげる効果があるとされるショウガ入り紅茶を試飲してもらいました。
地産地消の重要性が指摘される中、このコーナーでは岡山県にもたくさんの野菜があること、産地として有名な野菜があることを資料展示によって知っていただき、岡山産の野菜を食べてもらうことを第一の目的としました。第二の目的は、野菜を一日350g摂ってもらうことを実践することで、来場者が一日に摂る野菜の量をとってもらい、350gとの差を実感してもらいました。当日はJA全農岡山のマスコットキャラクターが登場したり、学生が「野菜ダンス」を披露したりと、にぎやかな雰囲気の中、楽しく学んで、試食してもらいました。
このコーナーでは、事前に大学生を対象に実施した「苦手な食べ物」に関するアンケート調査をもとに、納豆・シイタケ・グリンピースの3食材について、苦手の原因を探り、おいしく食べるポイントをレシピや試食によって提示しました。苦手な食べ物があることで、偏食・栄養不足・食の楽しみが減ってしまう、などの弊害が起こることを展示資料で示しました。また、どうしても食べられない人には栄養素として代替となる食品を提示し、バランスの良い食生活を心がけてもらえるよう、工夫しました。
世界各地の食文化の違いを知っていただくと同時に、食生活の違いがどのような疾病に結びついているのかを知ってもらい、自身の食生活を見直してもらう機会を設けました。学生自身が研修旅行で訪れたイタリアに加え、日本国内で人気の韓国、そして日本から最も遠いブラジルを比較対象として、日本の食生活とそれに特徴付けられる疾病の違いを比較検討したパネルを展示しました。
その他、各国の特徴を生かしたオリジナル献立を作成し、レシピを持ち帰ってもらいました。