平成24年度 一般向け啓発事業報告書

中国学園大学 現代生活学部 人間栄養学科

川上祐子

1.事業の概要

1)事業名称 

中国学園大学公開講座(食のオリンピック~目指せ栄養メダリスト~)

2)目的

地域住民の栄養改善及び健康増進に寄与する

3)開催日時・場所

プレ行事:平成24年10月8日(月・祝)中国学園12号館M301教室

公開講座:平成23年10月13日、14日(土、日)中国学園12号館1~3階

4)参加者

プレ行事:200人、公開講座:971人 計 1,171人

5)広報活動

公開講座開催にあたり、講座の告知を周辺地域の公民館や小学校・幼稚園・保育園などに配布し、

また、本学オープンキャンパスでも参加者に配布することで、地域への周知をはかりました。

地域への案内・配布物はこちらから

2.内容
1)プレ行事(講演、情報提供、トークショーと試食会)

資料はこちらから

公開講座のプレイベントとして、10月8日に武庫川女子大学国際健康開発研究所 所長 家森幸男氏を講師として迎え「大豆は世界を救う」と題した講演会、ならびに大塚製薬(株)の池崎光浩氏による大豆に関する情報提供が行われました。家森氏の講演では、食生活と健康の関係やイソフラボンによる疾病リスクの軽減に関するデータが紹介されました。また、池崎氏からは大豆の栄養素や体内でのはたらきについて解説がありました。

講演会の様子(1) 情報提供の様子(2)

続いて、倉敷スィートタウン総料理長(元ホテルオークラ岡山総料理長) 湯浅薫男氏と中国学園大学現代生活学部 准教授 槇尾幸子氏によるトークショー「日本の大豆料理・世界の大豆料理」と大豆料理の試食会を実施しました。トークショーでは日本への大豆の渡来や私たちの食文化にとけ込んだ大豆製品などについて、幅広いお話しが展開され、シェフ自慢の大豆料理も紹介されました。トークショーに続く試食会では、湯浅シェフによる大豆料理が参加者全員に振る舞われました。

トークショーの様子 湯浅シェフ自慢の大豆料理の試食

また、当日は学生が作成した公開講座宣伝用のDVDを上映して公開講座の告知を行うとともに、野菜の摂取を促進する内容の食育ダンス「野菜ダンス」を披露しました。

野菜ダンス  大盛況の試食会

2)公開講座

10月13、14日に行われた公開講座では、人間栄養学科3年生が6つのグループに分かれ、それぞれのテーマに沿った食と健康に関する体験学習コーナーを設けました。スタンプラリー方式を取り入れたことで、来場者が公開講座全体の目的を把握しながら各コーナーを回れるようにしました。全体の受付でスタンプラリーの台紙と会場の地図、各コーナーで配布されるレシピや媒体を入れる紙袋を渡し、全てのスタンプを集めた参加者には、学生デザインのオリジナルタオルと学生の手作り金メダルをプレゼントしました。

スタンプラリー台紙 スタンプラリーの景品(オリジナルタオル)
スタンプラリーの景品(手作り金メダル)  

それぞれの体験コーナーでは、参加者に楽しみながら学んでもらえるよう趣向を凝らし、学生が調査したパネルの展示やテーマに沿った創作料理の試食などが行われました。以下に、各コーナーの様子を紹介します。

○なにからできてる?この料理(森セミナー)

このコーナーでは、「食物アレルギーがある人にもみんなと同じ食べ物を」というキャッチフレーズのもと、「卵を使わないマヨネーズ」「うそっこたまご」を開発しました。また、鉄太郎(マグロの血合い肉に特殊な処理を施した肉)を使った鉄分たっぷりの手作りソーセージやしぐれ煮を開発し、来場した方にしぐれ煮を試食していただきました。

〈配付資料 なにからできてる?「」「チーズ」「メンチカツ・しぐれ煮」はこちらから〉

○桃太郎もマッハで食べられる手づかみランチ(清原セミナー)

このコーナーは、忙しくて昼食に時間のとれない現代人のための講座です。「仕事や授業が詰まって、昼食を食べられない。おにぎりだけ、パンだけになってしまう!」そんな社会人・学生に向けて「○○だけ」の食事によって不足する栄養素とその欠乏による身体の不調について、分かりやすく説明しました。あわせて、学生が考案した、片手で食べられて、作るのも簡単なレシピを紹介し、人気投票を行いました。

配布資料 マッハレシピ「キャベツとハムのサラダロール」等はこちらから

○だしの旨味を体験しよう(古川・川上セミナー)

このコーナーでは、鰹だし、昆布だし、混合だしの飲み比べをしてもらいました。来場者にだしについてのパネル展示と飲み比べをしてもらった後、簡単なクイズに挑戦してもらいました。また、だしをとった後の鰹節や昆布を活用したレシピも紹介し、好評でした。

配布資料「だしをとった後のかつお節・昆布で簡単☆活用レシピ」等はこちらから

○華楽富瑠(カラフル)食生活はじめませんか?(村上セミナー)

食器の色で食べ物はどんな風に見えるのかな?このコーナーでは色と食べ物の関係について来場者に体験してもらいました。来場者に色の異なる皿に食べ物のモデルを並べてもらい、「どんな風に見えますか?」「甘そう?」「温かそう?」などと学生が問いかけ、色と食べ物の不思議な関係を体感してもらいました。

○野菜っておいしい!野菜ってすごい!(真鍋セミナー)

野菜のパワーとおいしさを知ってもらうため、このコーナーでは情報提供と試食、クイズを実施しました。パネルを見ながらクイズにチャレンジしてもらい、答え合わせの後は岡山県産野菜で作った手作りトマトジュースを試飲してもらいました。来場者は考えたり、味わったりと楽しく学ぶことができました。

配布資料「野菜ってすごい!野菜っておいしい!・ケークサレ」はこちらから

○おかしな世界・Let's健康チェック☆(多田・西田セミナー)

こちらのコーナーでは、世界のお菓子と日本のお菓子の成分比較や日本各地の伝統的なお菓子について紹介しました。「同じポテトチップスでもこんなに違うんだ」など、来場者は食文化の違いを楽しく学びました。また、恒例の「Dr.西田の健康チェック」会場にはたくさんの方が来場され、血管年齢の測定や医師による健康チェックを受けられました。

配付資料「ご用心!メタボリックシンドロームとタバコ・血管年齢」はこちらから

3.講座を終えて

本年も「中国学園大学公開講座」は大好評のうちに終了しました。講座は地域にも定着し、本講座を目指して大学祭にお越しになる方もおられます。また、講座の企画・立案・実施を学生が中心になって進めることにより、未来の管理栄養士として、企画力やプレゼンテーション能力を高める貴重な機会となっています。今後も、地域に密着した大学として、また食の専門職の養成機関として有意義な公開講座を展開していきたいと思います。

ご支援いただきました日本フードスペシャリスト協会に厚く御礼申し上げます。