実施報告書

ポスター               案内リーフレット

 

1.講座の目的

平成24年2月、政府は省庁連絡会議でユネスコの無形文化遺産に「和食日本人の伝統的な食文化」を提案することを決定したと発表した。今までも私たちは、日本食は健康面でも文化としても優れていると考え話題にしてきたが、この方針を受けて、日本食を色々な角度から見直し、私達の生活に更に役立てるための知識や知恵を啓蒙したいと考えている。「和食」の健康的・文化的意義を確認し、主食となる"米"や味の基本となる"だし"、目でも楽しむ"色"について、更には、"食空間"についての講座を通して「和食」を再確認してゆきたいと考えている。今までなんとなく知っていたことも、講座を受けることで、もう一度見直すことになり、知識として周りの人にも伝承できるようになれば一層の効果が上がると考えている。

講座は講義・デモンストレーション・調理実習を組み合わせて6回とする調理実習は予約制とするが、他は自由参加とする。

2.講座内容

「食と健康講座」~日本の食文化をみなおす~というテーマのもと、6回の講座を開催した。

第1回 平成24年9月29日(土) 午後1時~2時30分 講義
『和食の魅力』 講師:髙橋律子

平成24年3月、日本はユネスコ無形文化遺産に【和食:日本人の伝統的な食文化】を登録申請しました。提案書における「和食」は「自然の尊重」を基本的精神として、料理・社会的連帯の形成・健康と持続可能な開発の促進・美意識向上等を含む包括的な社会的慣習であるとされています。この和食の魅力を再発見し、未来に向けて継承していきましょう。

講座の様子

第2回 平成24年10月13日(土)

午後1時~2時30分  講義
『日本人の食生活と米』 講師:畑江敬子

私たちが毎日おいしいと思って食べている白飯は、世界の他の国で、好んで食べられている白飯とは、口触りや味がすこし違っています。私たちは、また、食生活にも季節感を大切にし、季節や行事にあわせて米を使ったいろいろな料理を食べています。なかでも最も大切にしている行事はお正月で、ほとんどの人が雑煮を食べます。ところがその雑煮は地域によって少しちがっています。あなたがたべているのはどんなお雑煮ですか?

講座の様子

第3回 平成24年11月17日(土) 午後1時~2時30分  講義
『だしの秘密~日本人はなぜかつおだしに惹かれるの?~』 講師:河野一世

日本の食には欠かせないだし。中でも、かつおだしの起源は室町時代まで遡り、江戸ではだしといえばかつおだしを指すほど普及していました。これほど長い間、日本の食を支えてきたかつおだしはいったいどんなだしなのだろう。おいしかったから?からだにもよかった?原料のかつお節はどんな風に作られるか?日本以外でかつお節を食べてきた国はあるのだろうか?などなど。映像とお話を交えながらそんな疑問を解きほぐしていきましょう。

第4回 平成24年12月8日(土)

午後1時~2時30分

講義とデモンストレーション

『和食の色彩』 講義  講師:端田寛子

「黒豆煮に古くぎ」「ナスの漬物にみょうばん」など、和食の色彩をひきたてるためのコツが多くあります。今回は食材の色素変化についての科学的根拠を、デモンストレーションを交えてわかりやすく解説し、日常の食卓に役立てる工夫を紹介します。ご家庭にある食材や調味料で簡単に出来る実験などもご紹介しますので、気軽にご参加ください。

講座の様子

第5回 平成25年1月19日(土)

午後1時~2時30分

講義とデモンストレーション

『心づかいの和食』 講義  講師:氏家正子

日本人は、南北に長い日本列島で取れる旬の多種類の食材を上手に使い、身体に優しく、見た目にも美しい和食を食べて暮らしてきました。日本人の食とのかかわりをたどりながら、和食の魅力をさがしていきましょう。ユネスコの無形文化世界遺産に登録するプロジェクトが、動き出しています。世界から注目される和食と食文化の良さを生活の中で見直してみましょう。

講座の様子

第6回 平成25年2月16日(土) 午後1時~2時30分  調理実習
『簡単で美味しい和食』 講師:福永淑子

和食は一汁三菜を基本とする伝統的な食であったが、様々な食材が現れるとともに改良が加えられ、現代の和食になりました。そして、いま世界で最も注目される健康食です。そこで、今回の調理実習では、日本の食文化をみなおすことと健康増進のため、どうすれば簡単に美味しい調理が出来るかを、2月の季節素材である魚、ごぼう、かぶ、米麹、みそなどを使って調理実習をしていただきます。

                    実習献立             レシピはこちら

3.参加者

本講座は興味ある講座を選んで参加する自由参加講座であるが6回目は調理実習ため人数制限をして予約制とした。

人 数: 第1回 18名、 第2回 26名、 第3回 24名  
  第4回 16名、 第5回 26名、 第6回 29名 計 139名

         
年齢層: 参加者は10歳代から80歳代、
  60歳代が一番多く37%、70歳代が29%、50歳代が21%

4.アンケート結果

各講座の終了後、受講者にアンケートの記入をお願いした。

アンケートは参加者139名中、112名より回収された。(回収率81%)

参加者の性別では、女性が94%、男性は7名6%、住まいは市川市の方が86%であった。つまり大学に比較的近い50~70歳代女性が大半だった。

感想は①とても参考になった 86% ②まあまあ参考になった11%とほとんどの方が満足戴ける内容であったと言える。

今後の希望テーマは、米麹、発酵食品、など身近な日本の食材や健康について、手軽にできる調理実習等の要望が多かった。

5.総括

今年度は、日本の食文化についての講座を開いたが、ある程度の年齢の方でも和食について知りたいという要望が多いことも分かった。また毎年のことであるが、若い年齢層への参加を如何に広報していくかが課題である。