名   称
地域住民対象公開講座「だし・うま味」で美味しく減塩
第1回 平成26年6月14日
第2回 平成26年9月27日
第3回 平成27年3月7日 
開催場
別府大学食物栄養科学部食物栄養学科
実施責任者
平川 史子

-報   告―

経緯

平成26年1月、国立循環器病研究センターの主催する地元の特産品を生かした減塩食レシピを競う「ご当地かるしおレシピプロジェクト2013 S-1gグランプリ大会」最終選考が行われ、本学学生が応募した「中津減塩からあげ」が「だし・うま味賞」を受賞しました。

高血圧の患者数は国内で約4,000万人といわれ、まさに国民病と言われています。また、65歳以上の高齢者で医療費の32.6%を占めているのが、循環器病(高血圧・虚血性心疾患・脳血管疾患等)の治療費です。減塩すると実際に血圧が下がることは、すでに多くの研究で証明されています。国民が1日3g(1g×3食)の塩分を減らすと、血圧が2~3mmHg下がり、脳卒中や心筋梗塞等の循環器病での死亡が年に2~3万人減ると推計されます。実際に日本人の食塩摂取量は年々減少しており、大分県の食塩摂取量は男性10.9g、女性9.1g(平成24年国民健康・栄養調査)でした。しかし、目標(男性8g未満、女性7g未満)に比べるとまだまだ多いのが現状です。さらに、日本高血圧学会のガイドラインでは減塩目標値を1日6g未満にすることが推奨されています。

「減塩」というと、「おいしくない」というイメージが定着しており、減塩を継続するためには「薄味でもおいしい」減塩食の考案が必要です。

本事業では「だし・うま味賞」受賞作品を中心に、地元の特産物の素材の旨みを引き出し、塩気が少なくてもしっかり味があっておいしい減塩食を考案し、料理講習会を行うことで、地域住民の循環器病予防のための食生活改善、健康増進、ひいては地産地消・地域振興にも貢献したいと考えて企画しました。

 

<日程および内容>
第1回 平成26年6月14日(土)10:00~13:00
(1)参加者 30名
(2)内容

今年度で13年目を迎えた別府大学食物栄養学科です。地域住民対象公開講座も13年目を迎えました。
食物栄養学科 藤井康弘学科長より開会の挨拶です。

藤井康弘学科長より開会の挨拶

本日のメニュー

本日のメニュー

  • ○ごはん
  • ○さけのホイル焼き
  • ○ほうれん草と人参のナムル
  • ○すまし汁
  • ○ポテトの桜餅

レシピはこちらから

 

講師は食物栄養学科 准教授 平川史子

デモを担当したのは、「だし・うま味賞」受賞した本学4年生宮原由美(10期生)です。

みなさん、真剣に作り方を聞いています。
デモが終わったら、早速、調理開始です。

試食をしながら、高血圧と減塩についての講義が平川史子准教授よりありました。

第2回 平成26年9月27日(土)10:00~13:00<

(1)参加者 20名

(2)内容

本日のメニュー

本日のメニュー

  • ○秋色ごはん
  • ○中津減塩からあげ 酢どりバージョン
  • ○きのこスープ
  • ○かぼちゃの抹茶豆乳しるこ
  • ○梨

レシピはこちらから

 

今回のデモ担当は本学3年生(11期生)の堀 優吾と五丹建博です。

補助に入った学生と一緒に調理。

補助に入った学生達の自己紹介もあり、なごやかな雰囲気で食事を楽しんでいます。

第3回 平成27年3月 7日(土)10:00~13:00

参加者 29名

内容

本日のメニュー

本日のメニュー

  • ○ごはん
  • ○さけのホイル焼き
  • ○ほうれん草と人参のナムル
  • ○すまし汁
  • ○ポテトの桜餅

*レシピはこちらから

 

食物栄養学科 下村美保子講師とデモを担当した本学2年生(12期生)の工藤優弥と姫野剛汰です。

わからないことがあったら、補助の学生が丁寧に教えてくれます。

試食をしながら、下村美保子講師より、減塩クックの6つのルールの講義がありました。

ポテトの桜餅は春らしい一品で大変好評でした。

終わりに

今回「だし・うま味賞」を受賞した「中津減塩からあげ」は中津市耶馬溪のおおいた冠地どりをメインに、しいたけのうま味、かぼすの酸味とその香り、また、かくし味として使用した日田梨やはちみつの甘味などで、薄味でもうま味の効いたまろやかな味の「減塩からあげ」に仕上がりました。

学生が考案した作品は学外からも高い評価を受けるようになり、その作品が地域住民の方々の食生活改善に役立つことは、学生にとっても日頃学んでいることが健康づくりに寄与したことを実感でき、学習意欲や向上心につながりました。

このように、地域住民に対して「健康に生きていく」ためのサポート体制を整えることが地域にある大学としての役割でもあります。今後は生涯学習等の社会的要請に応えるため、地域住民(高齢者)の方々と高齢化社会をこれから支えていく大学生(孫世代)とが交流を深め、協力しあえる関係を築くことが重要であると感じました。

学生が考案した地元の食材を使っての減塩食は、地域住民の健康増進のみならず、地域振興にも貢献できると考えてます。