- 平成26年度フードスペシャリスト協会一般向け啓発事業 実施報告書 -
開催日時:①平成26年7月25日(金)9時~12時、13時~16時
② 7月26日(土)11時~12時、13時40分~14時40分
③ 7月27日(日)13時40分~14時50分
開催場所:①羽衣国際大学食物栄養学科 調理実習室
② 〃 臨床栄養実習室
③ 〃 調理実習室
参加人数 ①95名(19歳~30歳代)
②68名(16歳~60歳代)
③37名(16歳~50歳代)
講 師:①羽衣国際大学人間生活学部食物栄養学科准教授 野口聡子
〃 教授 中井久美子
② 〃 中井久美子
③ 〃 中井久美子
スタッフ:①羽衣国際大学人間生活学部食物栄養学科 調理実習助手3名
〃 国際食文化プロジェクト3年生6名
② 〃 〃
③ 〃 〃
【事業目的】
東日本大震災、原発事故で大被害を受け、立ち上がろうと頑張る福島県に、次には農産物への風評被害が重なっています。我々は食育活動を通して「何か支援の一助になりたい」「頑張ろう福島」の思いの下、福島県物産の中から、一年中入手出来る福島産桃100%ジュースと桃缶詰を活用し、簡単に作れる「桃の蒸しパン」の試作を重ね製品化を試み数回の官能検査を経てレシピーを完成させたので、出来うる限り多くの対象に、調理実習や福島産100%桃ジュース(桃の恵み)・缶詰の官能検査を通して、その美味しさと安全性を周知し、福島県物産の消費に寄与したいと「Happy Peach福桃プロジェクト」稼働させました。
【実施内容】 レクチャアPPTはここをクリック
事業実施会場の条件で(衛生面・作業性を考慮)、調理実習室使用が可能ならば調理実習と官能検査、調理室のみ使用可能なら桃ジュースと桃缶詰の官能検査(桃缶詰のスライス及び配食)、いずれも使用困難な場合は桃ジュース官能検査のみ実施とし、いずれの場合も初めに、‘野口・中井が福島県を訪問し、郡山市の福島県農業総合センター(農産物の放射能測定)、福島市のりんご農家・桃農家、伊達市のJA伊達、二本松市の佐久間内科小児科医院を視察し「福島県農産物の安全性の確認作業」と「安全性」をしっかり確認してきたことを’PPTでレクチャアしました。
①7月25日:本学調理実習Ⅱ授業(2年生)で、PPTレクチャアに続き、桃の恵み・桃缶詰の官能検査、「Happy Peachパフェ」「福桃蒸しパン」を実習試食しました。(午前47名・午後48名 2回実施)。女子学生の一人が桃アレルギーと申告し、自身で桃抜きのパフェと蒸しパンを調理していました。
午後の部を、農林水産省近畿農政局大阪センターより取材があり、その様子は年度末に農林水産省近畿農政局HPに掲載されます。
②7月26日:本学オープンキャンパス参加者と保護者(68名)への模擬授業として、PPTレクチャアに続き、桃の恵みと桃缶詰の官能検査を実施。保護者様や、案内の教職員や学生も参加し、大変温かで力強いメッセージやエールをたくさん頂戴しました。
③7月27日:本学オープンキャンパス恒例行事「和歌山の高校生限定 1DAY体験」模擬授業として、PPTレクチャアに続き、桃の恵み・桃缶詰の官能検査、「Happy Peachパフェ」「福桃蒸しパン」を実習試食しました。(和歌山高校生11名、オープンキャンパス参加者の飛び入り10名、シアトルからの留学生と引率教員11名、保護者5名 計37名)
シアトルからの留学生には拙い英語と引率通訳を交え、大地震、TUNAMI、原発事故、風評被害の説明し、アメリカ人学生はよく理解してくれ、Happy PeachパフェというネーミングがFine! Fun!と楽しんでパフェつくり体験をし、パフェも桃ジュースも缶詰もおかわりしていました。和歌山からの参加女子高校生の一人が、桃が苦手と残食していました。
【参加者の声 抜粋】 ①②③ 福島へのメッセージ
否定的な意見は全く見受けられず、
「どうやって応援したらいいのかわからなかったが、福島産の物を食べることが応援になるとわかった」
「何も関心がなかった自分が恥ずかしい」
「福島の方の苦労を初めて知った」
「先生が安全を確かめてきてくれたから信用できる」
「桃ジュースも桃缶詰もとても美味しかった!」
「先生のお話に胸が締め付けられた」 等々、風評被害の残酷さと、福島の桃を初めとする農産物の安全安心を理解していただけました。
桃製品や官能検査を拒否したのは桃アレルギー1名と桃が苦手1名計2名でした。
桃缶詰は空き缶や安全検査表もお見せし説明もし、会場に展示もしていましたが、本当に美味しく、自然な甘みと色に仕上がっており、Natural Peachと勘違いして、多くの参加者が「桃が美味しかった」と記していました。
桃ジュース官能検査結果も、美味しさ・好み・飲むときの気持ち、いずれも高評価でした。
保護者の皆様からの熱いメッセージには当方が感激しました。
「大学でこういう活動をなさっていることに驚きました。心から応援します」
「先生の福島への熱い思いがこちらに伝わりました」
「安全安心がわかりましたので、福島産の農産物を喜んで購入します」
「福桃プロジェクトの活動を見守りたいです。応援します」 等々
今後の活動への熱いメッセージを頂戴しました。
学生は元々関心がない、気にしていない状況でしたが、今回の事業で「風評被害、放射能、福島県の特産品、桃、桃の涙物語」様々なKeywordに反応追及し、立派なレポートと感想文、福島の皆様へのメッセージが寄せられ、改めて若いエネルギーと純粋な心に感心致しました。次世代を担う若者たちが、しっかりと大災害、原発事故、その後の風評被害を考察し、前向きな意見を述べたことに感動し、彼らの輝く未来に期待し心からエールを送りたいと思いました。
大学教員として教育への尽力と並行してのこのPJ遂行には、時間・費用・エネルギーを要しますが、事業参加者からの福島へのメッセージとエールと共に、当方にも熱いエールが寄せられ、更なる本事業推進への活力となりました。今後も微々たる活動ではありますが、本事業を継続していく所存でございます。
最後に、我々の事業をご理解くださり手厚い助成をしてくださいました日本フードスペシャリスト協会に心より感謝申し上げます。有難うございました。