まず大学・短期大学等で食についてしっかり学ぶ
フードスペシャリストの資格取得を目指す人は、まず、協会の正会員である大学・短期大学等において協会が「フードスペシャリスト養成機関」として認定した特定の学科を卒業する必要があります。フードスペシャリストは、速習で取れる資格ではありません。養成機関でしっかり学び、食に関する幅広い知識と技術を身につけて、初めて資格が得られます。
必修科目をきちんと修める
養成機関には、栄養学科、食生活学科、家政学科などいろいろありますが、どのような学科に学ぶにせよ、フードスペシャリストになるためには、下表の必修科目をきちんと修めていただく必要があります。養成機関を卒業後、フードスペシャリストを目指す方は、養成機関において「科目等履修生」として不足する単位を修めることができます。
■フードスペシャリストになるための必修科目
授業科目 | 最低単位数 | 内 容 |
---|---|---|
フードスペシャリスト論 | 2 | フードスペシャリストの概念、世界の食・日本の食、現代日本の食生活、 食品産業の役割、品質規格と表示など |
食品の官能評価・鑑別論 | 2 | 官能評価法(統計処理を含む)、 化学的評価法、物理的評価法、 個別食品の鑑別など |
食物学に関する科目 | 5 | 食品の分類・成分・機能、食品加工、 食品材料と加工品、貯蔵・流通技術、 食品機能学など |
食品の安全性に関する科目 | 2 |
食品衛生、食中毒、有害物質、 食品添加物、水質など |
調理学に関する科目 | 4 | おいしさの設計、調理操作、食品素材の調理特性、調理と食品開発 |
栄養と健康に関する科目 | 2 | 食事と栄養、食事と健康、からだの仕組、食生活指針、ライフステージと栄養など |
食品流通・消費に関する科目 | 2 | 食市場の変化、食品の流通、外食・中食産業、主要食品の流通、フードマーケティングなど |
フードコーディネート論 | 2 | 食事の文化、食卓のコーディネート、サービスとマナー、メニュープランニング、食空間のコーディネートなど |
資格認定試験を受験する
フードスペシャリストになるための最大の関門は、資格認定試験です。必修科目の内容をしっかり身につけているかどうかを確認します。
フードスペシャリスト資格は、食に関する総合的・体系的な知識・技術を基本的に身につけている方に与える資格です。
資格認定試験の受験資格を有する方は、下記の方です。
- ①養成機関の最終年次に属する学生
- ②4年制大学に置かれた養成機関の第3年次に属する学生で、第3年次中に所定の授業科目の単位の全てを修得すると認められる方
- ③養成機関を卒業しており、かつ、養成機関において所定の授業科目の単位を全て修得している方(修得見込みである方を含みます。)
資格認定試験は毎年12月に実施します。
フードスペシャリストの資格認定試験は、養成機関を設置している大学・短期大学に委託して、毎年1回、原則として12月の第3日曜日に実施します。令和6年度は12月15日(日曜日)に実施します。
各資格認定試験の問題は、それぞれの資格にふさわしい内容・水準とします。出題科目・出題数と試験時間は、下表のとおりです。出題数は60問、問題はいずれも五肢択一方式です。これを80分で答えていただきます。
◆資格認定試験の出題数と試験時間
出題科目 |
フードスペシャリスト 資格認定試験 |
|
共通 科目 |
フードスペシャリスト論 | 6 |
食品の官能評価・鑑別論 | 9 | |
食品の安全に関する科目 | 8 | |
栄養と健康に関する科目 | 7 | |
小計 | 30 | |
専門 選択 科目 |
食物学に関する科目 | 9 |
調理学に関する科目 | 7 | |
食品流通・消費に関する科目 | 7 | |
フードコーディネート論 | 7 | |
小計 | 30 | |
合計 | 60 | |
試験時間 | 80分 9:30~10:50 |
資格認定試験に合格して、資格認定証を取得する
フードスペシャリストの資格認定証は、資格認定試験に合格して、必修科目の取得と養成機関の卒業を確認して交付します。
したがって、3年次受験で合格された場合でも、資格認定証の交付は養成機関の卒業時となります。
フードスペシャリスト資格の取得フロー
◆フードスペシャリスト資格認定試験の受験者数と合格者数の推移
年 度 | 受験者数 | 合格者 | 合格率 | 合格者累計数 |
---|---|---|---|---|
平成11年度 | 536人 | 501人 | 93.5% | 501人 |
平成12年度 | 2,551人 | 2,332人 | 91.4% | 2,833人 |
平成13年度 | 5,111人 | 4,686人 | 91.7% | 7,519人 |
平成14年度 | 5,723人 | 4,898人 | 85.6% | 12,417人 |
平成15年度 | 6,392人 | 5,508人 | 86.2% | 17,925人 |
平成16年度 | 6,912人 | 5,725人 | 82.8% | 23,650人 |
平成17年度 | 7,535人 | 6,236人 | 82.8% | 29,886人 |
平成18年度 | 7,118人 | 5,880人 | 82.6% | 35,766人 |
平成19年度 | 6,931人 | 5,526人 | 79.7% | 41,292人 |
平成20年度 | 7,013人 | 5,627人 | 80.2% | 46,919人 |
平成21年度 | 6,769人 | 5,681人 | 83.9% | 52,600人 |
平成22年度 | 6,447人 | 5,226人 | 81.1% | 57,826人 |
平成23年度 | 6,122人 | 5,113人 | 83.5% | 62,939人 |
平成24年度 | 6,328人 | 5,267人 | 83.2% | 68,206人 |
平成25年度 | 5,850人 | 4,783人 | 81.8% | 72,989人 |
平成26年度 | 5,542人 | 4,535人 | 81.8% | 77,524人 |
平成27年度 | 5,213人 | 4,274人 | 82.0% | 81,798人 |
平成28年度 | 4,709人 | 3,954人 | 84.0% | 85,752人 |
平成29年度 | 4,489人 | 3,806人 | 84.8% | 89,558人 |
平成30年度 | 4,126人 | 3,611人 | 87.5% | 93,169人 |
令和元年度 | 3,912人 | 3,419人 | 87.4% | 96,588人 |
令和2年度 | 4,032人 | 3,553人 | 88.1% | 100,141人 |
令和3年度 | 3,961人 | 3,463人 | 87.4% | 103,604人 |
令和4年度 | 3,467人 | 2,913人 | 84.0% | 106,517人 |
令和5年度 | 2,781人 | 2,364人 | 85.0% | 108,881人 |